12月になると、どこからともなくベートーヴェンの第九番交響曲が流れる。
通称、第九。
昔、オーケストラの団員が、
家族皆で年を越せるように、
そしてお正月にしっかりお餅が食べれるようにと考えた末に、
「演奏会やっちゃえば、臨時収入が入る!」という安直な理由で始めたのが起源らしい。
でも、流石にそんなことは、堂々といえないから
「年末にふさわしく、ベートーヴェンの最後の交響曲で締めくくる」
というキャッチフレーズを唱えちゃったというのが現状。
その上、
「人数多ければ、お客も呼べる!」って感じで
合唱付きの交響曲を選んだのも、
貧乏で不定収入という悲しい音楽家の現状を表している。
まぁ、これが、世の中の
「ボーナス」の代わりとなるのであろう。
ちなみに、私も今月、毎週のようにクリスマスソングやら、賛美歌を弾いているのも、
「ボーナス」みたいなものである。
しかし、この第九、日本では恒例だが、
ここ最近は海外でも12月となるとベートーヴェンにちなんだ映画が上映される。
今年も、「敬愛なるベートーヴェン」が上映されている。
そして、世の中の人々にこれほど愛されているのに、謎が多いのもベートーヴェンだ。
なぜ、彼は多くの「謎」を残し、
そして、なぜベートーヴェンは12月にもっとも関連するのだろうか?
私なりに推測してみた。
12月というのは、ベートーヴェンには密接な関係がある。
それは、ベートーヴェンは
1770年12月16日誕生したらしいからだ。
「したらしい・・・・」
ここが、味噌!
「したらしい」とあえて記述したのは、彼は17日に洗礼を受けたという記録しか残されていないからである。
出生届けなどが出されていなかったため、
当時の習慣である、誕生した翌日に洗礼という方程式を用いて、
世の中ではそう言われている。
産まれた時から謎めいているから、人生だって謎が多くても不思議ではない。
むしろ、産まれた時が謎だから、これほど人々に魅了されるのではないだろうか?
宇宙人やUFOだって、謎だらけだから、こんなに話題になるのだろう。
そんな彼は私の英雄である。
耳が悪くなっても、そしてどんなに苦しくても自分の音楽を信じた人。
私もそんなふうに、強い人になりたい。
そして、感動を与えられる人になりたい。
たった一人の人でも良いから、何か感じてもらえるようになりたい。
そういう尊敬の気持ちを込めて、明日、ピアノを弾く前に、こうつぶやこう。
「敬愛なるベートーヴェン様。お誕生日おめでとうございます」